草花は、季節の移り変わりを教えてくれると同時に、その美しさや溢れる生命力は人々を癒し、慰め、時に活力を与えてくれます。そのため、多くの芸術家がこれらを主題にした作品を残していることは、至極当然のことと言えるでしょう。
陶磁器においても草花は、古来より重要な主題として扱われてきました。対象を忠実に写しとったものから、簡略化し特徴を強調したもの、さらにはパターン化しデザインへと昇華したものまで、その展開は多岐にわたります。
本展では、19世紀後半から現代までの陶磁器作品を通じて、流行様式の変化に伴う表現の変遷や同時代における各国間の違いなどをご紹介いたします。作家が草花をみつめた視点を探り、陶磁器ならではの生命力の表現に迫ります。
あらゆる生き物が命を吹き返し、草花が芽吹き、花々が咲き乱れる季節に美術館に出現するリトル・ガーデンをご堪能ください。