本展は、20世紀前半における日本と韓国の美術、そして美術家同士の交流に焦点を当てた展覧会です。さまざまな矛盾に満ちた「近代」という時代の中、日韓両国の美術家たちは、みずからが置かれた社会的な限界の中でも、その中にとどまらずそれを越えようとする眼差しを持ち、芸術の力で個々の世界を深めていきました。
藤島武二や湯浅一郎、土田麦僊、山口長男、浅川伯教・巧など日本近代美術を代表する作家たち。高羲東(コ・フィドン)や李仁星(イ・インソン)、李快大(イ・クェデ)ら、韓国近代美術の巨匠たち。彼ら韓国にゆかりが深い日本の作家たちおよび韓国近代美術史を代表する作家たちの作品以外にも、本展では、これまでほとんど注目されてこなかった戦前の在「朝鮮」日本人作家の作品なども、最新の研究成果をふまえて多数ご紹介します。これにより、この時代のアートシーンの複雑で多元的な側面もまたご覧いただけるでしょう。