春は、厳しい冬を乗り越えてさまざまな花が咲き、緑が芽吹く目映い季節です。花の神秘的な美しさや生命力は芸術家たちの創作意欲を刺激し、数多の作品が生み出されてきました。
瑞々しく咲き誇る花々も、やがては枯れ果ててしまいますが、画家たちは束の間の花の生命に永遠のエネルギーを吹き込み、観る者を魅惑の世界へと誘います。
花が咲くことを「花笑み」と言いますが、開花するさまを「笑う」と表現する感性に、日本人の花に対する想いが表れています。
本展覧会では、当館の収蔵作品から日本の春を代表する桜をはじめとする四季の花々を描いた日本画作品をご紹介し、花のたよりをお届けします。花に微笑みかけられ、穏やかなひとときをお過ごしください。