削ることでかたちを作り出す石や木に対し、柔らかく思うままにかたちをつくることのできる身近な素材の土を使って、古来より人はやきもので様々なかたちを表してきました。生活に使う器だけでなく、土偶や埴輪などをはじめ、時に写すように、また時には与えるようにかたちを創りだし、そこには祈りの世界にも通じるような人々の思いが重ねられてきました
現代陶芸のなかにも、いろいろなものを象った作品があります。本展では当館コレクションより、人、自然、生き物から身の回りのものまで様々なものを象ったやきものを紹介します。それぞれの作家たちが、土や釉薬の色、質感、そして装飾を使い、かたちに込めたものを探ってみたいと思います。