TOTOギャラリー・間では、次代を担う若き建築家・藤本壮介氏のこれまでの活動を通して、これからの建築の可能性を提示する展覧会「藤本壮介展 未来の未来」を開催します。
今や国内外に十数ものプロジェクトを抱え、日本を代表する建築家のひとりとなった藤本壮介氏のそのデビューは鮮烈でした。2000年に実施された青森県発注の「県立美術館設計競技」には、国内外の著名建築家やアトリエ事務所、組織事務所がひしめき、393もの応募案が提出されました。その中から、ただひとりで応募した藤本氏の案が2位を獲得。実現には至らなかったものの、審査員らの高い評価を得、一躍建築界にその名が知られるところとなりました。
それから15年、住宅から公共建築まで100を越えるプロジェクトに挑んできた藤本氏は、常に人と空間のあり方、都市とのつながりを意識しながら試行錯誤を繰り返し、「House N」、「Tokyo Apartment」といった住宅から「武蔵野美術大学美術館・図書館」、「Serpentine Gallery Pavilion 2013」等々、新しい空間の創出にチャレンジし、自身の思考を着実に具現化してきました。
本展では、過去の主要プロジェクトや現在進行中のプロジェクトを通じて、氏の思考、創作の過程を紹介するとともに、ここからの「建築の未来」の可能性が示されます。第1会場(3F)と中庭にかけては、これまでに手掛けたプロジェクトや進行中のプロジェクトから、100あまりの模型を展示。藤本氏の生み出してきた空間の変遷を辿ることで思考の連なりを、第2会場(4F)では、現在の藤本壮介氏が模索する次の時代へ向けた建築の未来象を示します。それは、建築家・藤本壮介氏が改めて建築を根底から問い直すという思考の実験であり、建築の可能性を示すものとなるでしょう。ぜひ、建築家・藤本壮介氏のリアルな「試行錯誤」に耳を澄ましていただければと思います。
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