スペイン・バルセロ-ナ出身の20世紀美術の巨匠ジョアン・ミロ(1893-1983)。1918年、24歳にしてミロは、バルセローナのダルマウ画廊で初個展を開き、その後1920年代にはパリでシュルレアリストたちとも親交を結び、そこで独自の絵画を展開。1930年代に入ったのちも、祖国で勃発したスペイン内戦や第ニ次世界大戦に翻弄されながら、さらに過激な実験を重ね、大戦が終結した1945年前後には、記号のごとく抽象化した女、鳥、星などが浮遊するミロならではの画面を確立させました。
本展では、これまで日本では充分に紹介されてこなかった巨匠ミロの芸術的葛藤の足跡を例証する1918年から1945年にかけての戦前期の作品に焦点を絞り、戦後のミロとは少なからず異なる「知られざるミロ」に迫ります。油彩を中心とした80点余の歴史的名作を、ミロ財団、ニューヨーク近代美術館など約60箇所におよぶ世界有数のコレクションよりご出品いただき一堂に会します。画家ミロの驚くべき革新性を、本展のなかで再発見いただけるのではないでしょうか。