第二次世界大戦が終結して、今年で70年。日本は過去の歴史を顧み、戦争を放棄し、非戦の国として歩んできました。しかし、世界では今も戦争やテロなどが絶えず、多くの子どもたちが生命の危機と著しい貧困に苦しめられています。
いわさきちひろは、日本全体が戦争へと突き進むなかで青春時代を過ごし、生命だけではなく、人の心もむしばむ戦争の現実を目の当たりにしました。戦後、画家となり、生涯を通じて子どもたちの姿を描くことで、本当の豊かさや、やさしさ、美しさとはなにかを問い続けました。
本展では、ちひろが手がけた戦争をテーマにした絵本のほか、いのちの輝きをとらえたあかちゃんや子どもを描いた作品を展示し、ちひろが絵筆に托した願いを見つめ直します。