斬新で大胆なデザイン性と細やかで柔らかな技法が魅力の琳派。日本人の感性が育んだ琳派の美は、今日世界中の人々から愛されるところとなりました。開館五十周年記念の締めくくりには、当館が誇る琳派コレクションをとおして琳派の魅力を紹介する展覧会を開催します。
琳派は、江戸時代初期、京都の本阿弥光悦と俵屋宗達にはじまり、尾形光琳・乾山兄弟を経て、江戸で活躍した酒井抱一、鈴木其一へと受け継がれた、日本の美のひとつの頂点をなす画派に対する近時の呼び名です。
当館に所蔵する琳派の諸作は、平面装飾性に富む絵画作品をはじめとして、華やかな意匠性を持つ陶器、漆工品など、琳派の本流ともいえるコレクションを形成しています。さらに茶道具の数々も必見です。この機会に、時を越えて魅了する琳派の美をご堪能ください。貴重な作品を多く出品することから、前後期と、一部は三期に分けて展示替えをいたします。全長九メートルを超す重要文化財「金銀泥四季草花下絵古今集和歌巻」本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵は、三期に分けてご紹介いたします。
なお、今年も会期後半の二月十四日から三月十五日の間に「次郎左衛門雛」を特別展示いたします。