スペインが輩出した20世紀の芸術家サルバドール・ダリ(1904-1989)は、シュルレアリストの代表格として広く認識されています。1930年代における3度の渡米と第二次世界大戦中を含む8年間のアメリカでの亡命生活を経て、他のシュルレアリストとは一線を画す存在へと転身を遂げました。本展ではダリの「アメリカ時代」として1930年代から1960年代に焦点を当て、当館所蔵作品及び国内所蔵館による出品協力のもと、ダリの絵画、彫刻、ポップアート作品約60点を展示します。また、ニューヨーク万国博覧会(1939)のために制作された《ヴィーナスの夢》の複製を用い、パビリオンの世界観を展開し、ダリが作品を通して大衆文化に残した功績と、彼の商業芸術家としての一面をご紹介します。