桜はわが国に自生する植物で、早くから『万葉集』や『古今和歌集』の歌題として愛玩されるようになり、今日まで日本を象徴する花として親しまれています。桜をこよなく愛する人々は、絵画や工芸品の図様にも桜を盛んに取り上げ、生活を豊かに装ってきました。本展では、全国で桜が開花する時季に合わせ、雲谷等顔筆と伝えられる重要文化財「花見鷹狩図屏風」を中心に、浮世絵の祖・菱川師宣が花見の宴を描いた「江戸風俗図巻」や尾形乾山が吉野の桜を表した「色絵吉野山図透鉢」など、桜をモチーフとした絵画・工芸作品約30点を当館コレクションより紹介します。相模湾を背景に桜が咲き誇るムア広場とともに、桜の美術を是非お楽しみください。