今後の活躍が期待される新進作家を、個展で紹介するシリーズ「Spinning!」の第5弾として、「下重佳世」展を開催いたします。下重佳世は、駅やプラットホーム、電車内などに存在する人やものをモチーフにしています。これらの場所は、人が集まるところではありますが、最終目的地ではなく、それぞれ異なる目的を持った人が偶然居合わせた場所になります。この“場”に存在している〈モノ〉や〈人〉の関係に留意し、それらが本来持っていた役割や存在意義から離れ、それらの色や形を利用しながら再構成することで、独自の絵画空間を創り出します。2000年のトーキョーワンダーウォールでの個展などをはじめ、近年下重の10年を越える絵画制作の蓄積が、結実してきたように思えます。本展は新作を中心に近作を含めた約10点を展覧いたします。