20世紀に入ると、画家たちはいろいろな美術表現を模索します。その一つに抽象画があります。物を目に見えるように描くのでなく、単純化してその本質にあるものを捉えようとしたり、あるいは、純粋に形と色の響き合いで心の中の感情を表そうとしたりなど、考え方や方法はさまざまです。いずれにしても、表現の自由度を広げたという意味において抽象画は現代美術に大きな影響を与えました。
今回の収蔵品展は「抽象ことはじめ」です。写実みたいに具体的な物が描かれていないせいか、抽象画は分からないという話をよく耳にします。しかし、展覧会に行くと抽象的な作品は数多くあり、それぞれに独自の発想や造形がちりばめられています。もし、それらを楽しみながら見ることが出来れば、展覧会がもっと面白くなり、具象作品の見方も深まるのかも知れません。
本展では、マナブ間部、働正、矢田道也、武内明子などの抽象作品をわかりやすく解説を加えながら紐解いてみました。また、野田哲也、マナブ間部、瀬川富紀男、野田冴子、坂本寧の新収蔵作品も展示します。
点数は約50点。抽象画を楽しむ糸□になれば幸いです。