巨匠パブロ・ピカソの才能と人生に憧れていた若き日の池田満寿夫(1934-1997)。多くの人との出会いは、池田が芸術の道を歩むことを決定付けました。同じ大望を抱く仲間とともにグループ「実在者」を結成したこと、子供の自由な形態の絵画表現を推進した創造美育活動に関わったこと、池田芸術の中核を形成する銅版画の制作を始めたこと……。夢が現実になっていく過程において、池田は無名ながらも将来に希望を持って活動していました。実験的な試みの連続だった日々から、美術評論家からの絶賛を受け国内外の数々の美術展で受賞し、版画家としての才能を世界に知らしめた池田は、まさに山あり谷ありの「青春」を謳歌したといえるのではないでしょうか。
本展では池田の青春をアピールする1950年代から60年代後半までの油彩・水彩画、版画約120点を、周辺資料とともにご紹介いたします。