暁斎は、狩野派卒業後の幕末、「狂斎」の画号で浮世絵を描き始め、戯画や風刺画で名を馳せました。
明治維新後の明治3年(1870)、新政府の高官(或いは貴顕)を揶揄した絵を描き捕らえられたことは有名で、放免後、「暁斎 (きょうさい)」と画号を改めます。それでも諷刺画を描き続けたところが暁斎の真骨頂でしょう。
本展では、幕末から明治前半の世相や国内外の争い、文明開化など、様々な問題を、暁斎がユーモアと風刺を込めて描いた戯画を展示します。暁斎が描いた作品から、当時のさまざまな事象を庶民がどのように感じていたか、暁斎が庶民の目線で描いた風刺画や戯画をお楽しみ頂ければ幸いです。
平成26年11月1日 河鍋暁斎記念美術館 館長 河鍋楠美