布留遺跡は奈良県天理市に所在する古墳時代に最も栄えた遺跡として著名です。しかし人々の営みは、それより9000年前の縄文時代からあったことが発掘調査で分かっています。縄文時代は1万2千年もの長きに亘る時代ですが、人々はこの時代を断続的に住み着きました。そして過酷な条件の中で生きるすべを見いだすために、様々な道具を考案し、作り、使ってきました。その証拠を遺物という形で現在に残していますが、まだ当時の全てを理解できるまでには至っていません。
この新春展では、長年に亘って行ってきた布留遺跡の発掘調査の成果から縄文時代を取り上げ、モノや生活の場を通して見えてくる人々の生き方と文化を考えてみたいと思います。展示品は当時の全てを語りませんが、当時を知る一助になると確信します
布留遺跡の縄文文化を知ることで、天理の歴史の一端を理解して頂ければ幸いです。