東京・八王子市にある東京富士美術館は、1983年に設立された総合的な美術館で、日本・東洋・西洋にわたるさまざまな時代や地域の、絵画・彫刻・工芸・版画・武具・刀剣・写真・メダルなど幅広いジャンルの作品群約25,000点を所蔵しています。とりわけ、西洋絵画のコレクションは、15世紀のイタリア・ルネサンス時代から20世紀の現代にいたる西洋絵画史の流れが、歴史に名を残す巨匠たちの作品によってほぼ一望できる内容を持ち、わが国の美術館のなかでは屈指のコレクションとして、世界的にも高い評価を得ています。
本展では、このコレクションから選りすぐった名作群を7つのセクションに分類・構成し、16世紀後半から20世紀にいたる西洋絵画史400年の壮大な流れを、油彩65点・版画12点の計77点でご紹介いたします。16世紀ルネサンスのヴェロネーゼや、バロック時代のヴァン・ダイクといった古典絵画の画家たちにはじまり、ヴァトーやナティエらによる華麗なるフランス・ロココ絵画などを経て、ターナー、ドラクロワ、コローといった近代絵画の先駆者たちをはじめ、印象派のモネ、ピサロ、シスレーなど19世紀の名画が出品されます。
また、20世紀絵画では、野獣派のヴラマンク、エコール・ド・パリのモディリアーニ、ユトリロ、キスリングなどをはじめ、形而上絵画のデ・キリコ、超現実主義のエルンストやマグリット、さらにはポップ・アートの旗手アンディ・ウォーホルや奇才キース・ヘリングなど現代アメリカまで網羅しており、多彩で豊かな西洋絵画の成果を堪能できるまたとない機会といえましょう。