岡本太郎は、1959年11月16日から12月2日まで、沖縄を訪問し、各地に残る沖縄独自の文化に触れ、その印象を、1961年には著書『忘れられた日本<沖縄文化論>』として発表しました。また、1966年12月24日から30日まで、沖縄を再訪し、久高島にて、12年に一度、午年に行われる女性だけによる神事「イザイホ―」を取材してもいます。この二度の沖縄訪問は、岡本にとって大きな意味があり、その後の創作活動に大きな影響を与えたと考えられます。岡本にとっての「沖縄」とは如何なるものであったのでしょう。
本展では、二度の沖縄訪問以前の岡本の作品と、以降の作品とをご紹介することで、岡本太郎の「沖縄」とはどのような意義があったのかについて解明を試みます。また、近年、急速に研究が進展している岡本太郎におけるミルチャ・エリアーデの影響も踏まえ、岡本太郎にとっての「沖縄」をご紹介いたします。