公益社団法人糖業協会の日本近代洋画コレクションは、前身の日本糖業連合会時代より、昭和11年(1936)の協会設立以降、歴代理事長によって収集されました。糖業協会の歩みとともに成長したコレクションは、昭和10年代を中心に、大正期末から昭和中期までの作品からなります。なかでも昭和5年に結成された独立美術協会に参加し、西洋の追随ではない自己の表現を求め、洋画壇に新風をもたらした画家たちの作品が多く含まれています。そのほか明治期より活躍し円熟した作品を発表していた藤島武二や、日本美術の古典を融合し独自の画風を確立した梅原龍三郎など、日本の伝統や風土に根差す油絵を追求した新旧世代の優品が揃っています。
このたびの展覧会では、藤島、梅原をはじめ、須田国太郎、小磯良平、里見勝蔵、児島善三郎、熊谷守一ほか、コレクションより厳選した48点を前期・後期に分けて展示します。日本近代洋画史に欠かせない画家たちの個性豊かな作品をお楽しみください。