20世紀最大の画家として記憶されるパブロ・ピカソ。人間の姿や自然の形状を独特に変容させて描いたその芸術は、しばしば難解とされながらも、常に人々を惹きつける強い魅力に満ちています。彼の画業の中、最も重要とされ、その後の絵画史の流れを根本から変えたのがキュビスム(立体派)の作品群でした。
当館ではこのたび、その代表作である《三人の音楽家》(1921)を一点、アメリカのフィラデルフィア美術館から特別にお借りして展示しています。
今回の展示では《三人の音楽家》とともに、ピカソがキュビスム期に制作した版画作品や、アルベール・グレーズなどピカソ以外の仲間のキュビスムの作家たちの版画などを紹介し、現代への扉が開かれた20世紀前半の芸術活動の一端を紹介します。またキュビスム以外のスタイルで制作されたピカソ作品も同時に展示しますので、巨匠の芸術を身近に感じていただけるでしょう。