2008年、美術愛好家の北川原夫妻から寄贈された「北川原コレクション」は、翌年に鎌倉別館で同名の展覧会を開催した後も、藤田嗣治の《横たわる裸婦》が加わるなど、さらに充実したものとなっています。《横たわる裸婦》は、当館を代表する藤田の《二人裸婦》と比肩する作品で、藤田独自の裸体表現の変化を知る上で貴重な作品といえます。このほかにも、海老原喜之助《川辺にて》は、1984年収蔵の《友よさらば》と呼応する作品であり、北川原コレクションによって当館の所蔵作品はより豊かになっています。
本展では、同コレクションと当館の日本近代美術の選りすぐりの所蔵品を併せて約80点を紹介いたします。
また、北川原コレクションには、アンドレ・ドランやジョージ・グロスなどの油彩画や水彩画も含まれており、当館所蔵の西洋近代の油彩画など12点を併せて展示いたします。