複雑に構成された「面」と「ライン」が印象的な丹羽シゲユキさんの作品です。ひとつひとつ研ぎ澄まされた美しい形を求め、ていねいに作られています。まるで彫刻のようですが、器としての機能も具えています。
「削り出し」と言う技法で制作された磁器の焼締め。板状の磁土を立ち上げ、特殊なカッターで造形した後表面を磨き上げていきます。しっとりとした質感を保ちながらも、シミがつきにくい仕上げになっています。
ここ二年程「茶道」にはまっている丹羽さん。「お稽古で習ったことを生かし、お茶の道具も作ってみました。『茶碗』の形状は自分らしさが出せるので楽しいです。実際に使ってみた経験、人の意見や感想など、ますます制作意欲がわいてきます。自分の器がお茶席で使われる時は見守る気持になってしまいます」と。
今回のD.M.の作品も茶碗です。他に片口、ぐい呑み、箸置きなど日常の器の新作も出品されます。「自分が作ったものを愛でて使ってもらえる喜びを、今改めて感じています」という、制作意欲に満ちた丹羽さんの展覧会です。