しもだて美術館は、「ゆる鉄」として有名な鉄道写真家 中井精也氏による写真展を開催します。中井氏は、1967年東京生まれ。成蹊大学法学部卒業後、写真専門学校を経て、鉄道写真家の真島満秀に師事。独立後、2000年に山﨑友也氏と有限会社レイルマンオフィス設立。鉄道に関わる全てのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、新しいジャンルの幅を広げました。「伝えたい風景がある。伝えたい人がいる。」と中井氏は語ります。そんな氏の作品には、単に鉄道のシャープさや格好良さを捉えただけの作品とは全く異なる、鉄道のある風景を通して見える沿線に暮らす人々の生活や物語を想像させる情景が切り取られています。2004年春からは、毎日必ず1枚ずつ鉄道写真を撮影して、日本人の暮らしと深い関わりを持つ鉄道の姿を「1日1鉄!」として、10年間にわたってブログに連載し、現在もなお掲載し続けています。近年では、国内各地での講演やテレビ出演も多く、「カメラ女子」と呼ばれる女性ファンにも人気です。
しもだて美術館の最寄駅は下館駅です。JR水戸線・真岡鐵道真岡線・関東鉄道常総線の3路線が走る、ターミナル・ステーションでもあります。毎週末に運行している「SL もおか」も含め、沿線に住む私たちにとっても大切な路線です。
また本年は、東海道新幹線開業50周年の年でもあります。初代新幹線の前頭部部品は当市内で製造されていたことから、当市も高度経済成長の一端を担っていました。本展では鉄道博物館のご協力により、この0系新幹線光前頭部の特別展示も予定しています。その他、鉄道会社やまちの活性化イベントと連携し、中井氏によるトークショーや写真教室、そして、実際に罐 (かま) に火入れをした本物のSLの前でSL教室を行うなど、様々な関連イベントの開催を予定しています。
本展は、これまでにも開催された「1日1鉄!」シリーズの中でも、ほぼ最大の120点を超える中井精也作品をご紹介します。心癒される独特の色彩感覚に満ちた中井精也「ゆる鉄」ワールドをお楽しみいただくとともに、イベントにも参加いただき、「鉄道のまち筑西」の魅力を感じてください。