発見の発見!
日本万国博覧会が終了した翌月の1970年10月、日本国有鉄道が開始した大々的なキャンペーン、「ディスカバー・ジャパン」。大胆なヴィジュアルイメージをまとったこのキャンペーンは、たちまちにして衆目を集めることになりました。駅舎、車両、新聞、雑誌などを飾った広告には、場所のはっきりしない写真と大きな英語のロゴ。特定の観光地へと誘う従来の宣伝と大きく異なり、「美しい日本と私」をテーマに人の心に呼びかけようとする手法、そして若い女性をターゲットにしたファッショナブルなデザインは、国鉄にとっても、またこの時代においても、大きな転換を示すものでした。
本展は、当時のポスター約100枚を中心に、多数の資料を通じてこのキャンペーンを振り返ります。また同時に、キャンペーンから派生した議論や同時代の芸術表現も参照しながら、一時代に留まらず今日にもつながる想像力の軌跡をたどります。情報を送る側と受け止める側とが生み出す複製文化の怒涛のうねりをご堪能ください。
40年前の「発見」を再発見する旅にようこそ!