タイトル等
特別展
酒井抱一
―江戸情緒の精華―
会場
大和文華館
会期
2014-10-11~2014-11-16
前期:10月11日(土)~10月26日(日)
後期:10月28日(火)~11月16日(日)
休催日
毎週月曜日(ただし、10月13日<祝>・11月3日<祝>は開館し、翌10月14日<火>・11月4日<火>が休館)
開催時間
午前10時~午後5時
入館は午後4時まで
観覧料
一般 930円 高校・大学生 720円 小学・中学生 無料
※20名以上の団体は相当料金の2割引で引率者1名無料
※身障者手帳等ご提示による本人と同伴者1名2割引
概要
酒井抱一(宝暦11年~文政11年/1761~1828)は姫路藩主酒井雅楽頭家に生まれ、若い頃から大名家の子息として教養を積む一方で、吉原の妓楼主・遊女や狂歌師・戯作者などとも親しい交流があり、様々な教養を身に付けていました。20代にあたる天明年間(1791~89)には、特に狂歌と浮世絵をよくし、この時期の抱一の遊興は、洒落本などにも取りあげられるほどでした。寛政2年、よき理解者であった兄の忠以が急逝すると、抱一は寛政5年に隠棲し、寛政9年には築地本願寺で出家しました。その後、寛政年間末頃から本格的に絵画を制作し、絵画作例が多く残るようになります。抱一が特に深く私淑したのは琳派の巨匠・尾形光琳(万治元年~享保元年/1658~1716)でした。抱一は様々な顕彰活動を通じて、光琳の遺風を継ぐものとしての地位を確立します。
抱一の画業を振り返ると、光琳の画題、画風に倣う作品を制作する一方で、吉原を舞台にした洒脱な行事絵や、細密な仏画、復古的画題なども手掛けており、その作品は幅広い分野に渡ります。上層階級に生まれて広い教養を身に付け、江戸の社交場である吉原に馴れ親しんだ抱一は、江戸の耳目を集めた宴会や催事の賓客として、または主催者としても活躍しており、抱一の作品は、江戸の多様な興味・関心から生み出されたと言えます。その最たるものが江戸時代後期の光琳への関心を鮮やかに掬い取った光琳顕彰でした。江戸で活躍する多くの著名な文化人たちと華やかな交友をもつ抱一は、江戸の流行の先端に接し、機敏に反応して、当時の関心を反映させた画題を取りあげ、趣向を凝らして風雅に装うことに優れていました。光琳の後継者として自負しつつ、都市文化の中で育まれた美意識を、高貴で華麗な色彩、肥痩を活かした艶やかな描線、洗練された江戸特有の情緒的な表現といった造形の中に結実させ、成熟期を迎えた文化・文政期の江戸文化において大輪の花を咲かせます。
本展観では、抱一の幅広い画業を大都市江戸の文化潮流の中で捉えながら、華やかさと繊細な情緒を織り合わせた抱一作品の魅力を改めて感じて頂きたいと思います。 (担当 宮崎もも)
イベント情報
列品解説 毎週土曜日 午後2時から(当館学芸部による)

講演会 10月12日(日) 午後2時から講堂にて
「抱一の俳趣」
近畿大学文芸学部准教授 井田太郎氏

11月9日(日) 午後2時から講堂にて
「夏秋草図屏風への道程―抱一の画業と生涯―」
細見美術館上席研究員 岡野智子氏

日曜美術講座 10月26日(日) 午後2時から講堂にて
「抱一作品の魅力―江戸の風韻―」
当館学芸員 宮崎もも
会場住所
〒631-0034
奈良県奈良市学園南1-11-6
交通案内
近鉄奈良線 学園前駅下車、南出口より徒歩7分、無料駐車場あり
ホームページ
https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/
奈良県奈良市学園南1-11-6
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