ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツは、国王ジョージ3世(1738-1820)の庇護のもと、1768年に設立された英国の芸術機関です。展覧会の開催、芸術家への支援とともに、アカデミー・スクールを併設し、専門的な芸術教育を提供し、自国の芸術振興を図ることを目的として創設されました。
アカデミーのコレクションは「ディプロマ・ワーク」と呼ばれる、会員が自身の才能を示す証として寄託した優品が中核となっており、非常に質が高いことで有名です。
現在に至るまでの約250年間、その質の高いコレクションと展覧会、そして優れた芸術家の育成・輩出という点において、英国美術界で大変重要な役割を担ってきました。その歴史はまさに英国美術の歴史そのものと言っても過言ではありません。
本展では、アカデミー初代会長レイノルズをはじめ、ゲインズバラ、ターナー、カンスタブル、ミレイ、サージェントなど、英国美術界を華やかに飾った歴代会員の優品を中心に、創設当初から20世紀初頭までのアカデミーにおける150年の歴史をたどります。日本初公開作品70点余を含む、いまだかつてない規模で、「美の殿堂」ロイヤル・アカデミーのコレクションを紹介し、英国美術の真髄に迫ります。