屏風は、「部屋の間仕切り」あるいは「風よけ」という機能をもつ調度品です。本来は実用品であった屏風ですが、中世後半以降、絵画をはじめとしたさまざまな加飾が施されることによって室内を彩る美術品として、生活のなかで広く用いられてきました。
屏風の最も大きな特色は、折り曲げたり伸ばしたりできることです。このため、大画面を生かした広大な風景や、等身に近い人物を配するなど力強い表現をみせることができます。また、平面の絵画とは異なりジグザグに折ることによって、空間の奥行に工夫をこらすことができ、屏風絵ならではの面白さを味わうことができるのです。本展では、こうした独特の魅力をもつ屏風絵を紹介します。