子どもの絵は不思議です。遠近法や構成などお構いなしに好きなものだけを中央に大きく描いたり、こだわりたい部分だけを緻密に描きます。描写力も稚拙で、幼稚園児の絵では、丸と線の組み合わせで家族や友達が描かれていたりします。しかし、その時の楽しい気持ちや家族や友達への愛情など、子どもたちが伝えたい想いが絵を見ていると画面を通じてとても強く伝わってきます。
世界児童画展は、1970年に大阪で開かれた万国博覧会を機にスタートされ、子ども達の感性と理性の調和のとれた成長を願い、子どもが自ら創り出す造形文化の推進支援と、国を超えて世界と人々をつなぐ国際相互理解を目的としてきました。作品に込められた世界のさまざまな文化、風土に触れ、自然のうちに国際親善や共に暮らす喜びの芽を育むとともに、世界の美術教育の振興に役立てるため、以後44年間にわたり開催しています。
ふくやま美術館も、この展覧会が地域の子どもたちの感性と想像力を育む場となることを願い、1990年より開催しています。
本展覧会は、2013年度に募集・審査された作品の中から、世界の児童画の優秀作品と、国内および広島県・岡山県の児童・生徒の秀作588点を展示いたします。