着物、浴衣 (ゆかた)、風呂敷、暖簾 (のれん)、作務衣 (さむえ) から、現代のジーンズに至るまで、藍は日本人にとって馴染み深く、また暮らしに欠かせないものでした。
幕末の日本を訪れた外国人は一様に、町中にあふれる「青」の色彩に驚嘆し、感動した記述を残しています。それは後に「ジャパン・ブルー」と呼ばれる「藍」の色でした。
江戸後期には、藍の色は「四十八色」とも言われ、呼び名も「甕覗 (かめのぞき)」「浅葱 (あさぎ)」「露草 (つゆくさ)」「紺 (こん)」「褐色 (かちいろ)」と、繊細にして多数の表現が並びます。
身分により使える色彩や素材に制約のあった時代、「藍」が生み出す多彩な色彩と表現は、人々にとって暮らしを豊かに彩るものでした。
そして現代、青森から新しい「藍」が世界に向けて発信されています。
本展では、当館所蔵作品を中心に、暮らしの中で愛されてきた様々な藍の世界を紹介します。