「正宗」は鎌倉時代末期、幕府の所在地であった相模国鎌倉で活躍した刀工で、その豊かな創造力により煌めく沸(にえ)の表現に工夫を凝らし、人々を魅了する名刀を作りだしました。鎌倉時代の中頃には、すでに京都や備前などの地方で優れた刀工が輩出していました。正宗の作品にはそれらに見られない新しい技法が取り入れられていて、伸びやかな曲線と静謐な姿のなかに、躍動感が秘められているのを見ることが出来ます。
今回は、正宗の師匠たち、その弟子たち、さらに正宗の再現に努力した江戸時代の刀工たちの作品50余点を一堂に展示することで、正宗の存在とその作品の魅力を御覧頂きたく存じます。