萬鉄五郎記念美術館は、今年の5月1日開館30周年を迎えます。記念館でスタートした当館は、その後記念美術館に名称を改め、文字どおり萬鉄五郎を研究する専門美術館として研究センターの役割を果たしてまいりました。30年の間には、多くの方々の協力により200点余りの油彩や水彩作品、さらに素描や資料を含め約550点の萬鉄五郎作品資料を収集してきました。また、萬を核に関連する明治大正期の画家たちの作品もコレクションすることができ、多角的に萬を検証してきました。
この度、30周年を迎えるにあたり、萬鉄五郎の表現性の根源に触れたいと思います。萬は芸術の意義について、仏教用語を用いて刹那的に爆発することが尊いと語り、永久に爆発し続ける画家にとって油彩や水彩、水墨の別はなく、ただ何をもってしても生命を爆発させることが芸術だと語っています。開館以来収集してきた当館のコレクションを中心に、同時代の画家たちの作品を対比的に展示し、爆発し続けた萬鉄五郎という画家の生きざまを検証します。