今年度から新しく「コレクション企画」と題して、所蔵作品をさまざまな視点で観ていただく場を設けました。4000点近い所蔵品のうち、比較的大きなまとまりをなす作品群を、テーマに沿って選び、構成・展示するものです。その第一回として、戦後1946年以降の日本画をとりあげ、三つの区画に分けて展示します。
(1)城県出身・在住の、各世代の作家たちの作品を展示します。
(2)荘司 福の歩み―かつて仙台に長く住み、現在日本美術院評議員として活躍中の荘司福の作品13点を展示します。戦後文化のあらゆる領域でおこった、圧倒的な西洋化の趨勢の中で、日本画の伝統は根本から動揺し、厳しく脱皮を迫られます。荘司福の歩みをたどることを通して、戦後日本画の展開と変貌の一端をうかがいます。
(3)「横の会」の画家たち―横の会は、1984年から93年までの10年間、目覚ましく活動した日本画のグループです。会員は当時いずれも40歳代で、日展・院展・創画会といった団体展の枠を越えた自由な発表の場を求めて結集し、現代性と伝統とのジレンマの解消に正面から取り組んだ意欲的な大作は、当時大きな反響をよびました。当館所蔵の、斎藤隆・村田茂樹・中島千波ら会員8人の作品12点を展示します。