棟方志功は1903(明治36)年青森市に生まれ、ヴァン・ゴッホに象徴される絵画の自由な表現活動に憧れ上京。自らの版画を「板画」と呼ぶ棟方の手法は、表現主義的で荒削りななかに情念を直裁的に刻み込む木版画であり、1952年のスイス・ルガノ国際版画展優秀賞、1956年のヴェニス・ビエンナーレ国際版画大賞など連続して受賞、「世界のムナカタ」として先に海外で評価された。その後も国内外で精力的に活躍し、1970年には文化勲章を受章している。
本展は『釈迦十大弟子』などの代表作や受賞作、故郷青森や棟方が終生愛してやまなかったネブタをモチーフにした作品など全73点で構成する。2003年に生誕100年を迎える棟方志功の画業を回顧し、その芸術を改めて探ろうとするものである。