20世紀絵画において最も一般的なジャンルとなった静物画は、16世紀後半のイタリアにおいて、歴史画、肖像画などから独立した一つの題材として誕生した。北欧絵画の影響を受けた象徴的な意味が込められた初期の作品から、画家が純粋に描くことを追求する対象としての静物画へと次第に変化していった。
本展は、イタリアのシルヴァーノ・ローディ氏のコレクションにより、16世紀イタリアにおける静物画の黎明期の画家から、ジョルジョ・モランディ、ジョルジョ・デ・キリコ、フランチェスコ・クレメンテなど20世紀の作家までの62作家による82点の作品を展示し、数世紀にわたるイタリア美術の重要な側面を構成するイタリア静物画の流れを総観するものである。