このたび やかげ郷土美術館では、書家 高木聖鶴氏の文化勲章受章を記念して、「高木聖鶴展―至高の美をもとめて―」を開催します。
高木氏は、大正十二年総社市に生まれ、昭和二十二年内田鶴雲に師事し本格的に書を学びました。昭和二十五年日展に初入選し、田中塊堂や内田鶴雲らが牽引した「大字かな運動」に参加し、壁面芸術としての大字のかな書を研鑚するとともに、大字に適合する古筆の研究につとめました。また中国古典の研究にも取り組み、かなと漢字の融合による独自の気品ある書風を確立しました。関係団体の要職を務めるなど、書道界の発展にも大きく貢献したことから、平成二十五年、岡山県在住者として初の文化勲章を受章しました。
本展では、高木聖鶴氏から寄贈された軸装、額装、巻子作品全二十三点により、繊細優美なかな書をはじめ、力強い漢字書など多彩な高木芸術の世界を紹介します。