本展は、日本を代表するグラフィックデザイナーであり、世界のデザイン界にも多大な影響を与え続けている永井一正(1929~)のおよそ60年にわたるポスター制作の歩みを回顧する大展覧会です。永井はデザインの仕事を通して、宇宙や生命など、人間にとって変わらないもの、本質的なものを追求し、それをいかに伝えるか、いかにデザインの枠組みから自由になれるかに挑戦しています。開館から30年余り一貫して永井のデザインによって生みだされてきた富山県立近代美術館の企画展ポスターは、世界でも例のないポスターシリーズであり、その圧倒的なデザインの力において、永井のポスター史にとって重要なシリーズとなっています。本展では、このシリーズとともに、初期の作品から、幾何学的な抽象や宇宙を感じさせるシリーズ、そして、生きる意味を追求する「LIFE」シリーズの最新作まで、変化し続ける永井のポスターの軌跡を、約500点の作品を通して紹介します。