五月雨 (さみだれ)、時雨 (しぐれ)、小糠雨 (こぬかあめ)…日本には「雨」を表現する美しい言葉が幾とおりもあります。その言葉から雨の情景をありありと思い浮かべることができるでしょう。また、「月」は万葉集、古今和歌集などの和歌や童謡など数多くの歌にうたわれています。雨と月は日本人の感性に響くモチーフであり、古来より多くの文学や芸術に表されてきました。
平松画伯の代表作のひとつである、河原に降る雨を描いた12ヶ月の雨シリーズや他の多くの作品にも雨や月がよく登場します。今回の展示は、この2つのテーマを取り上げ、しっとりと心に響く珠玉の作品を展示します。四季のある日本の自然への深い感銘をこめて描かれた心象風景ともいえる作品です。
また、第2部(企画展示室)では、当館庭園の“モネの睡蓮”の開花に合せ平松作品の中から「睡蓮」を題材にした作品を展示します。展示室に隣接した休憩室からも庭の睡蓮を眺めることができますので、作品とともにお楽しみください。(開花時期は6~8月ころ)