FIFAワールドカップTM本番を迎え、いま日本では、韓国の大衆文化に対する 関心がかつてない高まりを見せています。しかしながら、これまで展 覧会を通した両国間の文化交流といえば、古美術か、逆に先端的な現代美術が中心を占めてきました。本展は、そうした経緯を踏まえ、韓国の人と生活に焦点を絞り、現代韓国大衆文化を広く紹介することを目的としております。とくに今回は、人と人を結びつけるための場、あるいは契機としての「メディア」に着目し、都市を中心にした大衆文化の現在を多彩にご紹介します。この場合のメディアとは、単にテレビや新聞だけではなく、家庭の生活空間から儀礼や儀式、さらにはストリート・ファッション、広告、映画、音楽など、日常生活に溢れる幅広い視聴覚表現までをも含みます。そこには、今日の韓国に生きる市井の人々のさまざまな表情が、生き生きと映し出されているはずです。本展を通して、韓国の人々の日常感覚=匂いのようなものを感じ取っていただければ幸いです。