この度は服部一郎コレクションより、初出品12点を含む、日本人画家の作品をご紹介いたします。
明治維新以降、西洋を範として美術の諸制度が整えられるなか、画家たちは日本人の絵画を手探りで追い求めます。その探求の過程で、画家たちは身の回りの世界へ目を向け、研鑚を積みました。
第1章「小さなものを愛でる」では、岸田劉生 (きしだりゅうせい) ら、明治生まれの画家たちが愛した小世界をご紹介します。花や野菜、動物などのありふれた素材に、画家は深い愛情のまなざしを向け、その美しさを描きとめました。
第2章「心に映る景色」では、主に戦後に活躍した画家たちの原風景を探ります。藤田嗣治 (ふじたつぐはる) にとってのパリのように、それぞれの画業を反映する土地が登場します。
第3章「祈りの形」は、日本を代表する版画家である棟方志功 (むなかたしこう) を特集します。彼は日本の土着文化や仏教をテーマとして、エネルギーに満ちた作品を残しました。
これまでご紹介する機会の少なかった近現代日本人画家の作品群。服部一郎コレクションの新しい一面をお楽しみください。