「初釜」「釜開き」「釜を懸ける」など、茶事を象徴する言葉に多く用いられる釜は、茶の湯の世界において「席中の主」と称されます。江戸時代以降茶人の好みを反映した茶釜製作の中心的役割を果たしたのが京のみやこでした。この度の展覧会では、400年の歴史を持つ大西家をはじめ、名越家、西村家など、先人の技を受け継ぎ数々の優品を産み出した江戸から近代に至る京釜の系譜をたどります。住友家が明治から大正に懸けて収集した釜を中心に、初公開品26件を含む約50件の作品でその魅力と見どころをご紹介します。
また、茶の湯釜の名品「芦屋釜」のふるさと、福岡県芦屋釜の里のご協力のもと、茶の湯釜に込められた匠の技とその美の世界に迫ります。