新潟市美術館の作品収集は、「近代の美術」「現代美術の動向」「新潟の昨日・今日・明日」という三つのテーマで進めています。
「近代の美術」では、19世紀末から20世紀前半までの作品を対象に、近代から現代美術への変遷と動向を理解することができるような展示をめざしています。とりわけ、文化の大衆化の中で、19世紀末からヨーロッパで興った、象徴主義に始まる人間の内面をみつめる表現の傾向に着目しています。
「現代美術の動向」では、第二次世界大戦後、国際的な規模で展開するようになった、さまざまな美術動向を対象にしています。現在は、国内作品を中心に収集を進めていますが、将来は、海外作品も含めリアルタイムで美術の動きを紹介したいと考えています。
「新潟の昨日・今日・明日」では、郷土出身および新潟にまつわる作家の優秀な作品を収集しています。
こうした作品は、「購入」や「寄贈」、期間を定めて作品を預かる「寄託」といった方法で集めてきたもので、その総点数は、2982点(2002年4月現在)です。これら収蔵品の一点一点は、市内外の専門家によって、コレクションにふさわしい表現内容であるかということや、真贋などの問題はもとより価格にいたるまで、厳しい審査を受けた作品です。
人間の美術創造は、たゆまず続けられています。いっぽうで、経済環境の変動もおこりますが、新潟市美術館では、可能な限り優れた作品を収集し、文化的価値の高い財産を築き、次代に引き継ぎたいと考えています。所蔵作品は、今後とも常設展を中心にご紹介してまいります。