1953年「ローマの休日」のアン王女役でデビューしたオードリー・ヘップバーンは、個性的で美しく、しかも優雅で気品に溢れ、それまでのハリウッド女優のあり方をすっかりかえてしまいました。「麗しのサブリナ」「ティファニーで朝食を」「マイ・フェア・レディ」などでみせた名演は、映画史に燦然と輝き、その魅力は、彼女がこの世を去ってもなお、衰えることがありません。写真家ボブ・ウィロビーとオードリーが出会ったのは1953年。「ローマの休日」の撮影直後、彼女が初めてハリウッドを訪れた時のことでした。ハリウッドにおいては、無名の新人女優のひとりにしかすぎなかったオードリーを見て、その妖精をも彷彿させる存在に、ウィロビーは新しいスターの誕生を予感し、その後、幾度となく撮影することになります。
本展では、「緑の館」「噂の二人」「パリで一緒に」「マイ・フェア・レディ」などの撮影風景、共演者や監督たちのスナップ、そして家庭における妻として、母親としての素顔に至るまで、スクリーン内外のオードリーを13年間にわたって撮り続けたボブ・ウィロビーの作品122点を展示し、世界中が恋したオードリーの魅力について、解き明かしていきます。