開館4年目を迎える大分市美術館では、2002FIFAワールドカップTM会期中を挟んで、美術館、アートプラザ、市内各所で大分の歴史や未来を見据えたさまざまな場所をつなぐプロジェクトとして「大分現代美術展2002アート循環系サイト」を開催いたします。
現在大分市は、駅高架、駅南の区画整理事業を進める中、近未来の新しい情報文化新都心現実へ向け動き始めています。同時に大友氏館跡をはじめとする遺跡の発掘調査が、駅高架等に伴う再開発工事によって進められ、現代・近未来の空間に中世の遺構が出現するというきわめて興味深い事態が起こっています。
また、市内には、日ごろ注目されることのない太平洋戦争中の旧軍事施設など近代の負の遺産ともいえる工場や個人の歴史が凝縮した味噌、醤油工場跡などさまざまな場所があり、戦災でほとんど消失した市街の隠された歴史を垣間見ることが出来ます。
このような状況の中、本展覧会は現在国際的に活躍している現代作家を招き、作家自身の目で大分の場所や歴史と向き合い、作品を制作・展示することによって、新たなサイト(現場)発見の機会とします。さまざまな場所、多様な表現を持った新しい美術との出会いによって都市と美術、時空間がサーキュレーション(循環)し、市民、作家、観光客等が一体となって、日常と芸術の新たな関係について思い巡らすことを願っています。是非ご覧ください。