資生堂ギャラリーでは、2014年4月10日(木)から5月25日(日)まで、昨年から新メンバーでスタートした第七次椿会の2回目となる、「椿会展 2014 ―初心―」を開催します。「椿会」は、1947年から続く資生堂ギャラリーを代表するグループ展です。時代とともにメンバーを入れ替えながら、70年近くにわたり継続してきました。
第七次椿会のメンバーは、赤瀬川原平、畠山直哉、内藤礼、伊藤存、青木陵子の5名です。「3.11」を強く意識し、メンバー全員で「初心」というサブタイトルを決めました。「初心」とは、「何かをやろうと思い立った当初の純真な気持」(三省堂『新明解国語辞典』より)。また、「初心忘るべからず」は、芸の智恵を説いた世阿弥の書に、人生の様々な段階において未経験のことに挑戦していく心構えであることと記されています。「3.11」を経験したあと、ふたたび立ち上がり前に進んでいく過程において、初心とは何か、ものづくりのきっかけは何だったのかを問い直す時期にあるのではないかという想いを込めています。
グラフィック・デザイナーの仲條正義氏による展覧会のロゴは、毎年新たなデザインになります。
本展では、各アーティストが「初心」というテーマを踏まえ、新たに制作、もしくは選んだ作品を展示いたします。赤瀬川原平は数十枚にもおよぶクラシックカメラの鉛筆画、畠山直哉は自然のなかの人工物を捉えた2つの写真連作、内藤礼は淡い色を何層にも重ね色彩のはじまりを表現した絵画「color beginning」の新作、伊藤存は人間のそばに生息する生き物のくらしをテーマにした作品「みえない土地の建築物」のための新作ドローイング群、青木陵子は植物の水彩画の新作を出展する予定です。今回の「椿会展」も、ぜひご期待下さい。