[前略]つまり、絵が上手いから画家なのではなく、展示が良いからでもなく、その画家の行為によって人々が彼の展覧会や作品の存在を感じるからこそ、その人は画家なのです。私にとって、これは呼吸と同じことです。そこに人がいなくても、その人の呼吸を感じることができる。それが真に存在しているということです。[後略]
李傑(リー・キット)の発言 第55回ヴェニスビエンナーレ香港パヴィリオン個展
‘You (you).’カタログ140ページ ユン・マとの対談「真に存在するということ」より和訳
シュウゴアーツは1月11日よりアジアを代表するアーティスト、李傑(リー・キット)の個展を開催いたします。
李傑(リー・キット)は1978年香港に生まれ、現在台北を拠点に、アジア、ヨーロッパ、アメリカの各地においてオリジナリティあふれる作品・展示を披露してきました。
2013年に開催されたヴェニス・ビエンナーレでは香港代表として、香港パヴィリオンの中庭と室内とを見事に調和させた印象的なインスタレーションを実現し、ウォールストリートジャーナル紙にてヴェニス・ビエンナーレ必見のベスト5の展示にも挙げられました。
今回はその李傑(リー・キット)の日本での3年ぶりの個展となります。
リー・キットの仕事の特質は、その作品の現代性がヨーロッパ・アメリカ由来の近現代絵画のコンテキストからさりげなく逸脱して、アジア文明、香港文化に根ざしている点に求められます。
布に描いたペインティングをテーブルクロスやカーテン、寝具などに用いるという掟(おきて)破りをすることからリー・キットの芸術的冒険は始まりました。
展覧会の内容詳細は見てのお楽しみということにさせて頂きますが、この機会に李傑(リー・キット)の芸術に触れて頂ければ幸いです。