20世紀に登場した、最も衝撃的な写真家は?と問えば、誰もが口を揃えて答える写真家がいる
-------1920年、ドイツ・ベルリン生まれ。「エル」「ノヴァ」「マリクレール」など、 世界の最先端をひた走ったファッション各誌の中でもとりわけ「ヴォーグ」各国版での活躍があまりにも有名だ。 20世紀の写真界を常に挑発してきた、ひとりの男。-------彼の名は、ヘルムート・ニュートン。
華麗なるモード、鮮烈なヌード、ポートレートなど、ニュートンが切り取った数々のシーンにあるのは、 ファッションとは何か?写真とは何か?現実とは、女とは、エロスとは何か?といういくつもの疑問符ではないだろうか。
見る者に視覚的興奮を与える以上に、心をかき乱すような強い何かが、たった一枚の写真に潜んでいる。
彼がレンズの奥に見ていた、非現実的・虚構の世界の向こう側にある、目には見えない「真実」。
今回来日の約220点に囲まれながら、それぞれの心に去来する不思議な何かを楽しめるのも、 本展のひとつの醍醐味と言えよう。
ニュートン自身の様々なプロデュース・アイデアが活きる、大丸開催の本展は、 21世紀においてもなお色褪せることのない強いイマージュを鑑賞者に刻みつけることだろう。