須飼秀和のギャラリー島田でのデビューは2004年12月。それから9年の間に素晴らしい作品を積み上げてきた。2008年頃までの『いつか見た蒼い空』の時代、それから2012年6月までの『私だけのふるさと』(毎日新聞 全205回)の時代、そして今、新しい時代へと歩みを進めようとしている。その歩みは、蒼い空が象徴する懐かしくも美しい風景から、四季おりおり、照る日曇る日の人々の営みへと拡がってきた。その底流にあるのは郷愁である。そして今またそれらの枠をこえて、あるがままの自然に出会った感動を描きたいと心に期す。そのとどまることのない、真摯な探求こそが須飼秀和を現在たらしめている源である。 島田 誠