織田信長や豊臣秀吉が天下統一を目指した16世紀後半は、城郭建築と相まって屏風や襖絵など大画面の絵画が多様な展開を遂げ、様々な流派が力量を競い合いました。江戸時代に入り狩野派が幕府の御用絵師になると諸流派は再編され、代わって町絵師が活躍しました。
こうした状況は従来の漢画系、やまと絵系という厳密な区分を緩やかにし、この両者を融合する新たな様式を生みました。今回は、狩野派を中心とした江戸時代前期の漢画系の画家にスポットを当て、伝統の踏襲と時代の趣味への対応という観点から作品を構成しました。
●主な展示作品●
義経図 狩野常信 筆 江戸時代 17~18世紀
源氏物語図屏風 江戸時代 17~18世紀
唐獅子図屏風 狩野伯圓 筆 江戸時代 17~18世紀