平山郁夫はシルクロードの画家として広く知られてきましたが、日本の緑豊かな自然や、古刹が生み出す日本固有の美にも目を向け、数々の名作を描いています。本展では、平山郁夫が描いた日本の美に焦点をあて、青森の奥入瀬を描いた12曲の屏風形式の大作《流水間断無(奥入瀬渓流)》(1994年)や《薫風釈迦堂比叡山延暦寺》(2004年)、《奈良佐保路の池》(1970年)などを展示いたします。そのほか、千代の富士の引退記念に描いた素描《富士山》(1991年)、《金閣寺》など、これまでほとんど公表されていなかった作品も一堂に会します。今回の展示では、日本の美を軸として、平山郁夫の絵画世界を堪能できるまたとない展観となっております。