本間家伝来の貴重な歴史資料や美術工芸品
出羽の豪商として知られた酒田の本間家は、元禄二年(一六八九)初代原光が「新潟屋」の看板をかかげてから、湊町酒田の繁栄とともに商業・金融・地主の三つの事業を展開しました。そして、その財力によって財政難に苦しむ庄内藩や米沢藩をはじめとする東北諸藩に大名貸しを行い、財政指導にもあたっています。
また、歴代当主は皇室を敬い、学問を重んじており、公益の精神に基づいて国や地域のために力を尽くし蓄財を還元してきました。神社・仏閣への寄進や学問所の設置、酒田における茶道.俳諧の発展など、文化・教育・福祉と多岐にわたって貢献し、地域とともに今日まで三百二十五年の歴史を歩んできました。
諸藩からの返礼や文化人との交流によって伝来した美術品の中には、絵図・古文書などの歴史資料や、陶磁器・漆器などの工芸が含まれています。
本展では、平成二十二年に本間家よりご寄贈いただいた歴史資料と工芸を中心にご紹介します。
寄贈記念特別展は、平成二十三年度に「本間家の文化財」、平成二十四年度に「本間家伝来の書と絵画」を開催し、多くの方にご覧いただきました。そして三回目の本展が寄贈記念特別展の最後となります。ぜひ足をお運びください。