金は、その光り輝く美しさで、古代から人々を魅了してきました。またその希少性や、永く黄金色を保つ不変性は、永遠や不死、宗教的聖性や権力のイメージにつながり、時代時代の特色を反映した、多くの美術工芸品を生み出してきました。
また、数々の技法のうち、特に金を薄く引き延ばした「金箔」と、金の粉末をにかわで溶いた「金泥」を用いる技法は、日本美術の「輝き」の根幹を担い、絵画、彫刻、建築などの広い分野で活用され、いずれも世界最高の水準の技法といわれています。
今展では、江戸時代の屏風を中心に、時代を画した様々な画派による、金箔と金泥の輝きの表現を紹介します。